福岡|天神|曇り
スペクテイター 51号
自己啓発のひみつ
「これを読めば、あなたの人生が変わります」
そんな甘いことばで誘い、心を惑わす自己啓発メディア。
自分とは無縁だと思っていてもSNSやアプリを介して届けられ、気づかぬうちに〝自分みがき〟をさせられていたりするから、やっかいだ。
自己啓発の文化は社会にも深く浸透している。
自助、教養、自己肯定感、ポジティブシンキング…。
成長や改善を促すこれらの言説は、いつどのようにして根づいたのか?
ルーツを辿ってみると、そのタネは明治の頃に早くも蒔かれていたことが…。
経済低成長時代に入り、いっそうの努力や向上が求められる社会のなかで、ひとり迷子にならないために、いま知っておきたい自己啓発のひみつ。
CONTENTS
◆まんが「自己啓発って何だろう?」 哲学者エマソンからカーネギー『人を動かす』まで。自己啓発の文化史をストーリーまんが仕立てで 作画/関根美有 原作/赤田祐一(編集部)
◆インタビュー1「自己啓発が流行りつづける背景」 真鍋厚(評論家) アップルウォッチ、マインドフルネス、推しカルチャーなど、デジタル周辺の自己啓発文化を語る 取材・構成/鴇田義晴
◆インタビュー2「日本・修養・自己啓発」 大澤絢子(学者) 『「修養」の日本近代 自分磨きの150年をたどる』(NHK出版)をもとに、「修養」と「自己啓発」の関係について聞く 取材・構成/横戸 茂
◆インタビュー3「眼ざめよ! エマソン」 斎藤直子(学者) 『自分を変えるということ アメリカの偉大なる哲学者エマソンからの伝言』(幻冬舎)をもとに、「北米の自己啓発の起源」について聞く 取材・構成/赤田祐一(編集部)
◆ブックレビュー「自己啓発書をまとめて読んでみた」 サミュエル・スマイルズ『自助論』から、堀江貴文『多動力』まで。新旧取り交ぜた啓発書30冊を解説 選書・執筆/桜井通開 イラストレーション/ぱやの
◆論考「自己啓発のパラドックス」 『思考のための文章読本』(ちくま学芸文庫)著者による、自己啓発がはらむ問題性の指摘と、社会全体でどう対処していけばよいかの提言集 文/花村太郎 イラストレーション/芳川ミコ
PRICE:1,320 JPY