Photography by Yuto Kida
福岡|天神|晴れ
Takaya:Erosion = 侵食。
問題
A.堆積岩 B.火成岩 C.変成岩
このうち日本で最も大きな割合を占める岩石はどれでしょうか?
理科年表のデータを参照すると、日本の地質図からA・B・Cの3種の岩石を読みとり、その岩石の分布する面積を、岩石の占める比率とみなしたものが示されています。
答えは、「A.堆積岩」。
堆積岩が58%、火成岩が38%、変成岩が4%となっています。
火成岩に比べて柔らかく"浸食"を受けやすい堆積岩。
堆積岩は、砂岩や泥岩に代表されます。
58%が堆積岩というのは日本列島がつねに激しい浸食や風化を受けている動的な大地である証。
そのため日本は変動帯に属しています。
山と海の距離が近い日本の河川は高低差が激しいために急流となり、山は削られ谷は深くなり、削られた土砂は河川によって運ばれ海に流れ込み堆積する。
堆積した土砂は長い年月をかけて押し固められ岩石となり地層を成して行きます。
そして、火山活動や地殻運動によってまた大地は隆起し、浸食や風化を繰り返します。
こうしたことから海辺でしばしば見られる堆積岩。
波や風。
日々の絶え間ない事象の繰り返しによって岩石は浸食されます。
そんな事象を捉えた「Erosion Double Shirt」は、重なり合った二枚の"Side Slit Shirt"を地層に置き換えて表現。
一方よりも硬度の低い、柔らかい一枚(地層)は浸食を受け抉れます。
そうしたことから両袖、背面の右の上部は浸食を受け内部の一枚(地層)が露わとなった姿をした「Erosion Double Shirt」。
その一瞬を捉えることで、これに関わる全ての事象がここに留められています。
海と岩の境界。
その狭間で起きている事象。
「Erosion Double Shirt」は岩であり海であり、波であり風でもある。
そんな深淵なる"Blue Gray"が美しい一枚です。
amachi.
「Erosion Double Shirt」
COLOR:Blue Gray
SIZE:5/M
MATERIAL:Wool 53% Cupra 47%
PRICE:64,900 JPY
Photography by Yuriko Takagi
amachi.
Collection 012/SS2023 “ Regarding Wave “
波について
風について
それらを感ずる石を思う
葉や梢は媒介者
大気の中に存在するすべての道
打ち寄せる
流れ込む
吹きすさむ
そよぎ、傾き、浸食する
何を見て、何を見ないのか
とどまることなき存在の瞬間