福岡|天神|晴れ
Takaya:amachi.が生産を続けているニットウェアに特別な何かを感じている方も多いのではないでしょうか?
言葉にするのは難しいですが、対峙した時の存在感や美しさには芸術作品を目の前にした時のそれと同じような感覚があります。
そんなCollection 011 "Vertical Concept"のニットシリーズより、"Vertical Gradation Knit"をご紹介致します。
カリフォルニアの北部エルクバレーに根を下ろしていた天地氏の原体験。
生活を営むには山の登り下りが必至という環境。
そこを出発点として培われた氏の肌感覚は、現代の文明の上に根を下ろしていると忘れてしまう物事を育み、身につけているのではないかと思います。
amachi.の作品から感じる特別な何かは、本来は特別なものではないのかもしれません。
人が自然に見出す本質的な美しさ。
今シーズンは垂直方向への移動と言う視点で自然との接し方が表現されています。
その視界の変遷を編みによるグラデーションで表現した"Vertical Gradation Knit"。
Wool 62% Kid Mohair 23% Silk 15%のミドルゲージニットは、強度を保ちながらモヘヤやシルクによって薄らと光を纏ったような美しい面構えに。
コンセプチュアルでありながらミドルゲージのニットという普遍的なモチーフであるため、長年共にすることが出来ることでしょう。
「Vertical Gradation Knit」
COLOR:Green × Gray
SIZE:5/M・6/L
MATERIAL:Wool 62% Kid Mohair 23% Silk 15%
PRICE:70,400 JPY
amachi.
Collection 011/AW2022 “ Vertical Concept “
山岳地帯での生活を原体験にもつ私にとって
移動することは、山を登り、下りること
そして、木登りすることに象徴されるように
垂直方向へ行われる行為でありました
木登りを通して、自然の中に展開する垂直軸へ目を凝らすと
はっきりと変化してゆく植生、湿度、温度
それらが構成する個別の世界を見つけることができます
地面の高さで感じる腐植質、苔、土や鉱物の香り
そこから数センチ目線を上げたところに現れる下草
上へ行くほどに樹木の存在感が強くなってゆき
さらに上空には葉や梢のみずみずしさ、太陽の光
風の流れといった地上とは異なる世界が広がっています
垂直方向へ向かって多層的な広がりを見せる自然界
均質化した都市空間では感じる機会が少なくなった
そうした自然の営みへ思いを巡らす中で
繊細で美しい素材の質感や香り、空気の生み出すグラデーションを
一つのコレクションとして表現してみたいという思いに至りました
それぞれのピースには垂直方向へ連なる多層性
あるいは垂直軸に存在する一定の高さで感じ取ることができる情景を反映しています
“垂直”に切り取ることで、日常の意識を異化する
それが今季のコレクションの試みとも言えるでしょう